昭和、平成時代の河川管理現場で体験したこと

見聞きしたこと、考えたこと、出来なかったことを伝えたい

2018-01-01から1年間の記事一覧

未曾有、これまで経験しなかったという災害の正体

今年は、地震や水害、がけ崩れなどの自然災害が多い年になりました。しかし、これらの現象が起きる確率は、歴史の記録が近年少しづつ知られるようになったので、未曾有ということではなく周期的に起こりうるのだと知る人が多くなったような気がします。 私が…

堤防という構造物を知ろう(その1)

日本の河川の堤防のほとんどは、その河川に堆積した土砂で作られています。 稲作の始まりが、堤防の起源といっても間違いはなさそうです。 もう自然地形の一部となって、人々の関心は薄れていますが、いったん洪水で破堤すると、被害の大きさでその存在に気…

住民に情報を出すことが河川を管理する者の責務

住民自身が日ごろ 川 にかかわられなくなった結果? 現在では、今住んでいる場所は水害から堤防で守られていると、多くの人は安心して暮らしています。 その安心の根拠には、専門の役所、河川管理者が日常的に対応しているはず、というごく自然な信頼がある…

第十堰騒動

https://goo.gl/maps/T1ZUzmyqkMG2

複業のすすめー革新的仕事を進める方法

2018年1月15日の読売新聞トップに、「フリー労働独禁法で保護」という記事が出ていました。フリーランスな働き方をしている人へ不当な要求をする企業を独禁法で保護しようとするもので、この数日後には「強みを生かし複数の足」という見出しで、同時に複数の…

樋門,樋管の設計、管理(樋門が閉まらず浸水した理由)

洪水時や高潮が来た際には、施設の管理者は樋門、水門のゲートを閉めることで浸水を防ぐ仕組みが始動します。 いざの時に備えて、毎年出水期を控えた時期には、ゲート操作の練習、点検をするのが通例です。 しかし実際の操作を必要とする機会はなかなか訪れ…

河川の本卦帰り

水は、地表を流れる水も地下を流れる水も同じ性質があり、より流れ下りやすい方向を探し出して流れる性質があります。 この図は、四国の吉野川の下流の「流域治水地形分類図」です。 現在は堤防で一見洪水を閉じ込めていますが、昔の流路跡(青色縞模様)は…

「船舶 遠隔操作で運行」の新聞記事を読んで

2018年1月9日の読売新聞の記事見出しです。 これを読んで、全国にたくさん設置している、水門、樋門、ポンプ場の遠隔監視をすることを思いついたことを思い出しました。 河川に設置した機器の遠隔管理が可能になったのは、光ファイバー網の充実と、機器に複…

戦後の河川管理現場を支えた旧軍人や旧高専卒の先輩のこと

私が建設省の地方出先である四国地方建設局に採用された昭和33年(1958年)頃は、今でいう旧帝大卒と新制大学卒業の上級職は一握りで、課長職などの中堅技術者は旧高専卒業者が占めていました。 一般の技術者は、新制高校卒の公務員試験合格者がまだ係長一歩…