昭和、平成時代の河川管理現場で体験したこと

見聞きしたこと、考えたこと、出来なかったことを伝えたい

2020-01-01から1年間の記事一覧

水害が発生すると、川床を掘れという主張はもっともなれど

川底を掘れという意見は一見まともながら、その効果が持続しないこと、他の施設との関係などで容易には実現しにくい方策 洪水を無くすための方策の一つとして、「川底を掘削する」という方法が議論されています。 確かに川底を掘り下げることは、氾濫を防ぐ…

洪水時に堤防はどこまで耐えられるか(江戸川旧堤防を利用した実験から)

土を築き立てて作った堤防が、洪水時にどこまで頑張れるかは、誰もが知りたいと思うところです。 堤防は現地実験で安全性が確認できない構造物なのです。過去の洪水では破堤しなかったという事実だけが確かなことで、飛行機や建物、ダムなどは実負荷実験を行…

水防災対策を今後、どのように進めるかはなかなか難しそうだ

水の利用であれ水防災対策であれ、昔も今も政治、経済が治水の方向性を左右している。治水の技術はこれにかなうように対応してきた歴史があり、今後も変わることはない。 既往最大の洪水が頻発し、一層巨大化が見込まれ、少子高齢化社会が到来しているこの時…

今後の水防災で考えること

2019年の18号台風を契機に、大河川だけではなく、中小河川をどのように管理してゆくかについて考える機運が広まりつつある。 その対応策はそれぞれの地域によってさまざまであろうが、これを考えるための材料について書いてみた。 1、自分が住んでいる土地…