昭和、平成時代の河川管理現場で体験したこと

見聞きしたこと、考えたこと、出来なかったことを伝えたい

2021-01-01から1年間の記事一覧

アメリカ出張で目から鱗、「知る権利」と「競争」の徹底

日本の洪水予測解析ソフト開発には2つの問題点があります。 一つは著作権で、国が発注するソフトについて、著作権を主張する仕組みがああるものの、その根拠法令には国有財産法しかなく(物の管理法)、ソフトなどの著作物を事実上管理する規定がなく、著作…

軟弱地盤上の樋門函渠の設計法に出会った頃

30歳の頃でしょうか、渡川工事事務所の係長に赴任しました。四万十川は今では有名ですが、当時は文字どうりの陸の孤島、建設省四国地方建設局のある高松市から東京と事務所とはどちらが早くたどり着くかといえば、東京が早かった。汽車も途中の土佐佐賀まで…

香川県の土器川がなぜ礫河川なのか? NHKスペシャル列島誕生ジオジャパンで説明された

その河川がどのような性質を持つ川か、どんな成因を経た流域なのかを知ることは河川を管理するためには欠かせない基本的な知識といえるが、昭和の30年代にはまだよくわからなかった。 四国の地質図は、当時高知大学教授の甲藤次郎先生がまとめていて、たびた…

「河川」と「川」との区別

ODAの仕事で、中華人民共和国の日本の河川局に相当する「水利部」と接触したことがあります。 私の姓が「小川」であったので、それをきっかけで中国では河川の大きさをどのように区別するのかを教えてもらいました。 「河」は中国基準で黄河や長江などの主要…