昭和、平成時代の河川管理現場で体験したこと

見聞きしたこと、考えたこと、出来なかったことを伝えたい

20191019城山ダム緊急放流報道、緊急放流 という言葉が誤解を生む

 20191019日の台風19号は、予想以上の被害が発生しました。各地で痛ましい出来度とでしたが、私の知る限り、ああまたここかという、低地の被災が多いことに、改めて無力感を感じました、

 

 ここでどうして、こんなに今、厄災が発生するのかについての私の見方は後日、このブログでお話ししますが、今日は、NHKを含む金太郎あめマスコミの、城山ダムについての「緊急放流」について、「緊急放流のメカニズム」が緊急放流」が(ダムの貯留能力が限界になったので、ダム湖への流入量と同じ量をダムから放流する事態になった、つまりはダムの調節能力を発揮できなくなったということで、いわばダムが無い状態に帰ったということで、緊急放流によってダムが悪さをする仕組みがないことは自明で、報道の解説でもそのように説明している。

 しかしである。この説明の後に、緊急放流で、四国肱川の野村だむ下流で死者が出たと、合わせて報道している。

 これは市真実、悪意のある報道である。 確かに肱川では緊急放流によってダム直下流で死者が出た。 しかし、死者が出た原因はダムが悪さをしたのではなく、急な降雨によって、ダムが存在しようがなかろうが、(ダムは流入量をそのままスルーパスせざるを得なかった)被害にあったのであり、ダムの存在が被害を大きくしたことには当たらないことを四国地方整備局は事故後に検証し、公表している。

 

 この事実を報道せず、緊急放流は問題ありとしている報道は、悪意のある報道といえる。

 19号の被災をみて思うことは、もう一度、自分の住んでいる地域の安全性について関心をもち、どうしたら被害を最小になるのかを、議論することである。 堤防は不完全な構造物であり、ダムやポンプはその能力以上の役割は担えず、その中で住民自らが自衛「水防」を行うほかない。 全国の水害が防止できる予算などあるはずはない。

 

 できる被害最小方策は、その地域地域で、考え、実行し続けることしかないと考える。