昭和、平成時代の河川管理現場で体験したこと

見聞きしたこと、考えたこと、出来なかったことを伝えたい

未曾有、これまで経験しなかったという災害の正体

 今年は、地震や水害、がけ崩れなどの自然災害が多い年になりました。しかし、これらの現象が起きる確率は、歴史の記録が近年少しづつ知られるようになったので、未曾有ということではなく周期的に起こりうるのだと知る人が多くなったような気がします。

 私が初めて実感した山崩れは、当時の国産旅客機YS11で北海道から高知まで飛んで列島山脈を延々と眺めた時です。 当時はプレートテクニクス論がまだ一般的に知られてない時期でしたが、褶曲された四国山脈を実感し、平原であったであろう本州の地形が隆起したり、それが降雨や地震によってによって山腹が削られまたは崩壊山と谷が作られ、長い年月を経た山脈地形が出来上がっているといった、今では常識的なことを確認したことです。

 そのころから、どんな山も崩れるもの、人間が築造した堤防などの人工構造物は、一定の限界があることを知りました。 四国高知の名所である地層がでんぐり返っている海岸地形を見れば、過去にどんな地殻変動があったかを実感できます。

 田宮虎彦が語った、「災害は忘れたころにやってくる」という言葉は、歴史の中では起きるのが必然といっているのです。

 私たちが、これに備える方法は、手に入る情報を手に入れ、まずは自分なりに判断、行動するしか方法がありません。 国や地方自治体は、今、実施可能な方法で対策などに動いているにすぎず、安全を保障するものではないことを知ることと思います。